【伝統的なハーブ】
ロディオラロゼアは北アメリカ、ヨーロッパ、アジアの山岳地帯に生育しているハーブです。ロディオラロゼアは疲労や気分障害の治療のために、伝統的な民間療法の中で何世紀もずっと使われています。ロディオラロゼアはかつてのソビエト連邦の科学者らによって、過去に幅広く研究されました。これらの研究の大多数はロディオラロゼアの好ましい効果を示しています。しかし残念なことに、これらの研究の翻訳が限られていることや議論の余地のある実験対照がそれらの有用性を制限しています。これら早期の研究は、いくつかの最近の研究によって支持されるようになっています。例えば、ロディオラロゼアは「抗酸化作用および抗炎症作用の両方を持つこと」、「認知機能を高め、精神的な疲労を減少させること」、「生理的および心理的なストレスを減少させること」が示されています。
【アダプトゲンとしてのロディオラロゼア】
“アダプトゲン”とは、「どの生物においても有害な物理的、化学的、生物的ストレッサ―(ストレスを起こす刺激)を和らげさせる作用物質」のことです。“アダプトゲン”は身体の機能を正常化するために作用しますが、必要以上に身体の機能に影響を及ぼすことはありません。ロディオラロゼアは“アダプトゲン”として、ストレスに対処するためによく用いられてきました。ロディオラロゼアは「うつ病を和らげる」、「仕事の効率を高める」、「疲労を取り除く」、「高山病を防ぐ」という評判で人気があります。
【運動における効果】
ロディオラロゼアは従来、身体的な疲労と戦うために用いられてきましたが、運動パフォーマンスにおけるロディオラロゼア摂取の効果は最近、明らかにされてきました。ラットにおいて、ロディオラロゼア摂取は疲労困憊までの水泳時間を増加させたことが報告されています。ヒトにおいてもDe Bockらによる最近の研究で「自転車エルゴメータを用いて徐々に負荷を増加する実験で、ロディオラロゼアの急性摂取が疲労困憊までの時間を増加させた」ことを報告しています。しかしながら、この研究はサプリメント摂取の4週間後に有意な効果を見出せませんでした。これは興味深い結果です。なぜならロディオラロゼアの従来の使用方法や以前の多くの研究が数日から数ヶ月におよぶロディオラロゼアの長期にわたる摂取モデルを採用していたからです。“アダプトゲン”としてのロディオラロゼアを考慮すると、ロディオラロゼアの長期的な摂取は不必要なのかもしれません。つまり、ロディオラロゼアは正常化した身体の機能をそれ以上は高められないと考えられます。その他、ロディオラロゼアの長期的摂取ではなく急性摂取に関する研究では、ヒトにおいて認知能力に、ラットにおいて運動パフォーマンスに肯定的な効果が示唆されています。
【ロディオラロゼアの新しい可能性】
今までの経緯を踏まえて、最近、運動パフォーマンスにおけるロディオラロゼアの急性摂取の効果を決定するための研究が行われました。この研究の被検者は18人の女子大学生で、ロディオラロゼアとプラセボを用いた二重盲検ランダム化クロスオーバー試験が行われました。サプリメントは試験の1時間前に3mg/kg摂取してもらい、ウォームアップ後に自転車エルゴメータを用いて6マイルのタイムトライアルを遂行してもらいました。その結果、タイムトライアルの時間がロディオラロゼア摂取後の方が有意に(p=0.037)速くなっていました。また、自覚的運動強度(RPE)もロディオラロゼア摂取後の方が有意に(p=0.04)低くなっていました。つまり、ロディオラロゼアを摂取した方が、より楽に運動できたように感じられたということです。以上のことから、ロディオラロゼアは持久的運動のつらさを低減し、運動パフォーマンスを向上させると考えられます。
【結論】
毎日、疲労やストレスが溜まっている方にロディオラロゼアは効果があると考えらえます。バルクスポーツロディオラロゼアは1カプセルにロディオラロゼアエキスが200mgも含まれています。これは1日1カプセルで十分です。疲労やストレスを乗り越えたい特定の時期に摂取することをおすすめします。また、ロディオラロゼアはHALEOイグナイトにも2カプセルで50mg含まれています。運動前にロディオラロゼアを体感するなら他の成分とスタックされているHALEOイグナイトを摂取することもおすすめです。
【参考文献】
・Eric E. et al. The effects of an acute dose of rhodiola rosea on endurance exercise performance. J Strength Cond Res 27(3): 839-847, 2013.
・Gregory S. Kelly. Rhodiola rosea: A possible plant adaptogen. Alternative Medicine Review 6(3): 293-302, 2001.
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